怒涛の勢いで更新しております。
午前中Zidarichを訪ねる。前訪ねたのは5-6年前でしょうか。あの時はただの穴だったセラーはほぼ完成の状態でした(つまりまだ完成してなかったってことです・・・日本だったらありえないですよね)。
凄いセラーです。TheCarsoといった岩盤を掘りに彫って、5階建て構造らしいですから。
鍾乳洞入り口みたいです。
最上階のテラスからは海まで見渡せます。
08と07の白、07、06の赤を試飲させてもらう。
どれも悪くないが開いてない。カンテのワインとも似た開いてなさ加減。なぜなんだろ?
その後ヴォドピーヴェッツの所に。
2008年の彼らの全生産量、1アンフォラ。ボトリングしたら2000本程度との事。
08は彼にとって本当にきつい年だったようで、通常の生産量の2割以下の量以下しか造れなかった。
08をアンフォラから、07と06を樽から試飲。あーもう言う事なし。旨すぎる!
05は彼らがカルソというテロワールを表現する上で、一番ニュアンスに欠ける畑のものをアンフォラで仕込み、自信のある畑のものを従来の造り方をしたクラッシカの方に使いました。06は、05の経験である程度の確信を持てたので、生産量の3分の2、自信のある畑のものをアンフォラで、残りを失敗したときの保険用にと従来の仕込み方で醸造しました。07は全量アンフォラで仕込みました!!!
ここまで書いて気が付いてしまったのですが、05の2つのヴィトフスカに関してこのブログ上で全然説明してませんでした・・・。ずぼら過ぎるというか、全然追いついていない感じです。また書かねばいけないネタ見つけてしまいました・・・。宿題どこまで終わらせてイタリア行けるのでしょうか・・・。
05のアンフォラも最近ようやく香りが出だしてきましたが、この先どうなるんでしょうね。
再び休む間もなくスロヴェニアに移動、初めて通る道だったのですが迷うことなくムレチニック宅に到着。
08,07,06の白、07,06のMerlotを試飲。
ワインに関しては何も覚えてません・・・。どうも造り手と一緒の時は彼らとの会話に重きを置いちゃうようです。もっともそれでいいと思ってもいますし、そのためにイタリアに行ってる訳ですから。
夜は2007の秋にも連れて行ってもらったスロヴェニアのアグリトゥリズモにみんな(Radikon、LaCastellada、DarioPrincic、Mlecnik、Vodopivec、全員夫婦)で食事に行く。とても素朴だが、塩加減などは非常に繊細な料理を出すお店。前行った時も美味しいとは思ったのですが、今回の食事ではこの旅のあいだでベストと断言できる料理に出会う。
そりゃもうびっくりするほど何の変哲もない豆のスープ。にもかかわらず感動の味。僕だけがこう思ったわけではなかったようで、僕も含め男衆はみんなお代わりをしていました!
このシェフにとっても思い出深いスープだそう。Cormonsというゴリツィアとウーディネの間にある町にLaSubidaという素敵なレストランがありまして、彼はそこで働きたくて16歳のときに見習いとして働いていたのですが、オーナーは当初彼を本格的に雇い入れる気がなかったようで、体良く辞めさせようとしてらしく、バンケットのような大きな予約が入ったある日、彼に何か一品作ってみろと言い、そこで彼が作ったのがお祖母ちゃんのレシピのこのスープ。オーナーもその味に驚いたのかあっさり働かせてもらえることになったらしい。
使っているものもいたってシンプルで、豆、豆を戻した水、水(ブロードの類は一切使わない)、ソフリット少々、アチェート、小麦粉、マジョラムに塩、オイル。僕が今まで食べた豆のスープとしては間違いなくベストです。
やはり料理の本質、一皿の料理にとっての偉大さは、素材の豪華さとは全く関係ないものから作られるって事なんだなぁと再確認。ああまたあのスープを食べに行きたい、というかまた連れて行ってもらおっと。