各所の共催者さんに先を越されてしまっていましたが、僕のほうからもお知らせさせていただきます!
11月25日から12月3日まで、イタリア、スロヴェニアの自然派ワイン界をリードする造り手たちが大挙来日いたします。それに伴い、大阪、札幌、東京にて、ワイン会を開かせていただきます。
彼らがどんな人たちで、どういう考えを持って畑、ワイナリーで仕事をしているのかを皆さんに少しでも感じていただけるような会にしたいと思っております。
今回来日する6ワイナリーは、“グルッポ・ヴィーニ・ヴェーリ(ほんまもんワインのグループ、とでも訳すのでしょうか)”という15ワイナリーで構成される、“有機”という認証で要求される規定以上に厳しいものを自ら課しているグループのメンバーになります。残りのメンバーにもマッサ・ヴェッキア、カッペッラーノ、ジュゼッペ・リナルディ、パオロ・ベア、ポデーレ・レ・ボンチエ、トリンケーロなど、そうそうたる面々が名を連ねています。ここで来日メンバーの簡単な紹介を。
カーサ・コステ・ピアーネ(ヴェネト州ヴァルドッビアーデネ)
グルッポ・ヴィーニ・ヴェーリの特攻隊長(ただ単にグループ唯一の泡の造り手なので)。今や日本でも、彼らの造る薄濁りプロセッコはとある地位を確立したのではないでしょうか。グループの他のメンバーが造るワインは、そのテンションの高さゆえに飲み手に一定レベルの注意力を喚起するのに対して、彼らのプロセッコは単純に美味しい。まさに水のよう。一般的なプロセッコ(スプマンテ全般にも言えるかもしれません)にある、必要以上にフルーティーな香りに後味に感じる残糖分がないことがそう感じさせてくれるのではないでしょうか。当主ロリスの、食事用の簡素なナイフでもやってしまうシャンパンサーベルは圧巻です。興が乗ったらやってくれるかも?
ラディコン(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州コッリオ地区)
当主のスタンコ・ラディコンはグループの副会長であり、場の雰囲気盛り上げ責任者。イタリア自然派ワイン界でも最も認知されている造り手の1人。一般的な醸造と比べれば、既にリスキーな醸造方法を採用しているこの手の造り手の中にあっても、彼の手法はかなりラディカルといえます。白ワインも長期間のマセレーション(一部のワインは実験的に4-6ヶ月もの期間)を行い、大樽での3年熟成、2002年ヴィンテージ以降は醸造・熟成時だけでなくボトリング前の2酸化硫黄添加もやめました。赤(メルロー)に関しても、その暴力的な果実味が落ち着くまでと、5年間の樽熟成、約3年の瓶熟成を経てからリリースされます。料理上手。僕達がイメージするところの、イタリア人らしいイタリア人ですので女性の方はそのつもりで。
ラ・カステッラーダ(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州コッリオ地区)
当主ニーコ・ベンサはグループきっての理論派、恐ろしく物知り。いかつい体格・風貌だが、お茶目な一面も持ち合わせる。ワイン造りに関しても、近所の過激派(グラヴナー、ラディコンなど)を一線を画し、一歩一歩地歩を固めながら前に進んでいます。彼のワインはパッと見(パッと飲み)、一般的な”良いワイン”との差を感じるのは非常に難しいのですが、抜栓後数日経った時、もしくはリリース後4-5年置いてから飲んだときに出てくる凄味たるや・・・。本能に訴えかけるのがラディコンのワインだとすると、ニーコのワインは知性に訴えかけるような気がします。皆さんにもその片鱗を見ていただくべく、少々古いのを出してみようかな・・・。
ダーリオ・プリンチッチ(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州コッリオ地区)
ラディコン、ニーコ・ベンサと同い年、オスラーヴィアのBadBoys3人目がこのダーリオ・プリンチッチ。2人に比べるとワイナリーとしてのデビューは遅いが最近の彼のワインは本当に目を見張るものがあります。ステンレスタンクだけで仕込んでいた当時の彼のワインは、熟成させたときには驚くほど美味しいのだけれど、そこに至るまでに物凄い時間のかかるワインだった。ソーヴィニョンの90年、シャルドネ93年とか、美味しかったなぁ。それが2001年ヴィンテージ、奇しくもラディコン、カステッラーダそしてアンジョリーノなどもこのヴィンテージくらいからだったのですが、リリース当初からちゃんと飲み心地のあるワインになったような気がします。そしてオフヴィンテージに生まれた傑作、ビアンコ・トレベッツ2002で今の彼のポジションは確立したのではないでしょうか。ワイナリーに併設する居酒屋スペースで提供されるカジュアルワインをボトルで飲めるのは日本だけです!今回は新入荷の白もお出しする予定です!
ヴォドピーヴェッツ(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州カルソ地区)
パオロ&ヴァルテル・ヴォドピーヴェッツ兄弟によって営まれるワイナリー。今回来日する長男のパオロは、グループ最年少(35歳)、かっこいい(コッリオの奥様方ゾッコン)、頑固者(カルソ人はカルソという岩盤質の土地のように頭も固いのだそう)、奥さん綺麗(コッリオの親父ども大好き)。あまりこの言葉を使うのは、その人の努力を認めてないように聞こえるので好きではないのですが、彼は僕がワインの世界で認める数少ない天才の1人です。97年よりワイナリーを始め、毎年畑でもワイナリーでもドラスティックに改革を行っています。土着品種であるヴィトフスカのみを栽培、2005年からは一部のワインを屋外の地中に埋めたアンフォラ(素焼きのテラコッタの壺)での醸造を始め、2006年と2007年は生産量の70%をアンフォラで醸造しました。アンフォラでの長期間のマセレーションに伴い、畑では重金属である銅(有機農法でも認められている農薬、ボルドー液にも含まれる)さえ使用しなくなった。今回のワイン会では複数ヴィンテージをご用意いたしますので、ヴィンテージごとの特徴や何故アンフォラに至ったのかなど、パオロから直接話を聞いてみてください!
ヴァルテル・ムレチニック(スロヴェニア)
イタリアとの国境から数キロしか離れていないブコヴィカという町にあるワイナリー。グループ唯一のイタリア外の造り手。2mの長身、心優しい人。89年よりボトリングを始め、93年頃から考えに共感したグラヴナーの元に通うようになり、ラディコン、カステッラーダ、アンジョリーノなどと親交を深める。畑では草生栽培を行い、草刈もブドウ樹が隠れない限り行わず、2004年からはボルドー液の使用もやめる。そのせいで2004年のシャルドネは8割以上が駄目になってしまいました。しかし、彼は西洋的な薬から東洋的な薬(免疫力を高めてあげるような)切り替えた際に多少なりとも出てしまう症状だったのではないかと分析してました。ワイナリーでも人為的関与を極限まで減らした手法を採用。彼のシャルドネは、世界中に数ある同品種のワインの中でも唯一無二の味わいを持っていると思います。2000年よりレブラ(リボッラ・ジャッラ)、2004年からメルローの生産も開始しました。彼の人柄とワイン・・・、必ず接点を見つけていただけると思います。
そして各地のイベントの日時が、
<大阪 ワイン会> 問い合わせ:WINE SHOP FUJIMARU 藤丸
06-6643-2330(12:30~21:30)
11月27日(火) 会場:堺筋倶楽部アンブロシア
大阪府大阪市南船場1-15-12 Tel:06-6265-8000
20:00~22:30 (定員70名) 会費10000円(立食、ブュッフェスタイル)
共催者WINE SHOP FUJIMARUの藤丸さんの言葉を借りますと、
そして、迎え撃つ料理人も今までにない組み合わせ!
関西イタリア料理界の重鎮、堺筋倶楽部アンブロシア総料理長 平井利男、西宮の骨太イタリアン、リストランテ ダ・ルーポ322 森 良之、
予約の取れないイタリアン、ラ・バッロッタ 星山 英治が腕を奮います。
かなり素敵なことになりそうです!
<札幌 ワイン会> 問い合わせ:ワインショップ MARU:NI 佐野
11月28日(水) 会場:レストラン MARU:NI
北海道札幌市中央区南5条西24-3-16 Tel:011-530-0101
19:00~22:00 (定員40名) 会費8000円 (立食、ブュッフェスタイル)
我らが極楽トンボ、サノヨーコの働くお店でのワイン会です。造り手の仲の良い彼女だからこそ引き出せるお話とかもあると思いますよ!
<東京 ワイン会> 問い合わせ:フェリチタ 永島
12月1日(土) 会場:フェリチタ
東京都港区南青山 3-18-4 Tel:03-3408-0141
昼の部 13:00~15:30(定員100名)会費8000円 (立食、ブュッフェスタイル)
夜の部 17:00~19:30(定員100名)会費12000円 (立食、ブュッフェスタイル)
最終イベントは自然派ワインの駆け込み寺、フェリチタでの開催となります。来日メンバーのほとんどを知るシェフ岡谷氏のことですから、気合の入った内容になることでしょう!
予約の方ですが、各地の問い合わせ先のほうにお願いいたします。
どの会場でも、造り手本人にワインをサーヴしてもらい、ワインに関する説明を受けたり、逆に皆さんの方から質問をしていただいたりとコミュニケーションを図っていただけるように、通訳の数なども出来るだけ揃えて臨ませていただく予定です。ワインも約20種類をお出ししようと考えています。もちろん普段なかなか口にすることの出来ないワインをいくつかご用意させていただくつもりです。造り手達を皆さんの熱気や好奇心などで、ビックリさせてあげたいので、是非とも奮ってのご参加をお願いいたします!!お客さんの数が造り手よりも少ないなんていう状況が起きでもしたら・・・僕切腹(イタリア人的に言うならハラキリ)でもしなければいけないかもしれません・・・。
あーほんとにドキドキしてきた。